佐藤 保
マーシュ ブローカー ジャパン
今日のグローバル企業は、サイバーセキュリティリスクやデータ漏洩、政情不安、急速に変化する法規制、対外イメージの危機、さらには組織犯罪など、かつてないほど多くの脅威に直面しています。さらに、新型コロナウイルスの大流行という脅威もあり、世界中の企業にいまだ影響を与えています。
これらのリスクすべてに自社で対処しようとすると、大きな負担を感じるかもしれません。マーシュのFINPRO部門のスペシャリストは、こうしたリスクの軽減を支援します。当社のアドバイザーは、深い専門性と長年の業界知識を駆使し、お客様のリスクの把握と管理をサポートします。また、マーシュ・マクレナングループの他の事業会社と連携し、増大する法規制上のリスクから企業を守ることにより、組織の革新と成長を支援する総合的なソリューションを提供します。これにより、お客様はリスクマネジメントの目標を達成し、株主価値を高めることができます。
マーシュの業界におけるリーダーシップは、経営保険およびリスクマネジメントアドバイザリーサービスに対する基準となるものです。お客様がどのようなリスクに直面しているかにかかわらず、自信を持ってビジネスを遂行できるようサポートをお約束します。
今日、企業は多くのリスクに直面しており、最適な保険ソリューションや戦略的リスクマネジメント計画の必要性が高まっています。これらのリスクは、データ漏洩やサイバーセキュリティ、知的財産権や特許侵害、グローバルおよびローカルな管轄権の問題、役員の経営判断や不正行為、専門サービスの提供、雇用慣行、合併・買収などに関連することがほとんどです。適切な保険とリスクマネジメント戦略がなければ、企業は財務や風評上の深刻な被害に直面する可能性があります。
業界をリードするデータ主導のアプローチを用いて、FINPROのスペシャリストがお客様のリスクの把握と評価をお手伝いします。私たちは、お客様が十分な情報に基づいてリスクに関する意思決定を行い、ビジネスの回復力を高めることができるよう、リスクの軽減と管理をサポートします。
これらの保険の多くは、特定のリスクに対応できるようにカスタマイズが可能です。
一般的なFINPRO分野の保険は、専門職の過失やエラー・オミッション(E&O)が疑われる状況での保護を提供します。これは、単にE&O保険と呼ばれることもあります。ほとんどの組織は、これらのような金融財務・専門業務の保険に加入しています。
このほかにも、役員賠償責任保険(D&O)やサイバーセキュリティ関連保険、身代金目的の誘拐に対応する保険など、多岐にわたるリスクについて検討できます。お客様がサービスを提供する分野によっては、より専門的な保険のオプションが用意されています。
これらのリスクを管理する場合、予防を第一に考える必要があります。最初のステップは、組織内に存在するリスクと潜在的なリスクを特定し、評価することです。これは、社内外のステークホルダーとの話し合いや、経験豊富なリスクアドバイザーとの相談を通じて行うのが最適です。リスクアドバイザーは、お客様が直面しているリスクを評価し、容易に把握できなかったリスクを特定することができます。
潜在的なリスクを特定したら、リスクマネジメント戦略の策定を進めるとよいでしょう。戦略には、様々なリスクをどのように防止または移転するか、また、リスクが発生した場合、企業としてどのように対処するかを具体化する必要があります。
経営責任保険は、訴訟による争訟費用、判決、和解に起因する金銭的損失を中心に様々な補償を提供する保険の総称です。このなかには、役員賠償責任保険(D&O保険)、雇用慣行賠償責任保険(EPLまたはEPLI)、受託者責任保険、犯罪保険、誘拐・身代金保険なども含まれます。公的機関、民間企業、非営利団体が、日々の事業活動から生じる様々な法的リスクに対処できるよう、設計されています。
役員賠償責任保険(D&O保険)は、会社の取締役や監査役が経営判断上の責任を追及された場合に、その役員を保護するための保険です。D&O保険が特に重要になるのは、会社がその取締役や監査役を補償できない、あるいは補償を拒否した場合です。これは、代表訴訟や債務超過の状況において、通常発生するものです。D&O保険は、取締役や監査役の争訟費用や、彼らが負担すべき和解金や賠償金について、会社が支払おうとしない、あるいは支払えない場合に、その個人資産を保護するものです。
買収された場合、D&O、雇用慣行賠償責任(EPLまたはEPLI)、受託者賠償責任、サイバー、およびE&O保険が影響を受ける可能性があります。ただし、現在有効な保険はすべて見直し、買収の状況に応じて継続、増額、解約のいずれかを決定する必要があります。
子会社をスピンオフして、新しく独立した公開会社にすることを検討している場合、1)スピンオフ前の不当行為の申し立てに基づく請求に対する補償と、2)スピンオフ後の不当行為の申し立てに対する補償、という2つの重要なカテゴリーのリスクを評価する必要があります。保険は、取引契約の責任規定に従って調整される必要があります。さらに、新会社が将来的にわたって自らを守るために、雇用慣行、受託者責任、犯罪、誘拐と身代金など、他の保険も必要な場合があります。
受託者とは、年金基金の運用担当者など、投資を管理する人のことです。受託者責任保険は、従業員福利厚生制度や他の投資家のために行った決定について訴えられた場合、それらの受託者や受託者の個人資産を争訟費用や罰則から保護するものです。
雇用慣行賠償責任保険(EPLまたはEPLIとも呼ばれます)は、セクハラ、差別、報復、その他の雇用関連の不当行為に起因する賠償請求に対応するために設計されたものです。これらは、企業にとって最も損害の大きいリスクの一つであり、米国裁判所をはじめ、他の管轄地域においても、これまで以上に高額な賠償請求がなされています。EPL訴訟は、金銭的な損害だけでなく、組織の評判に取り返しのつかない損害を与える可能性があります。
EPL クレームは企業に対する最も一般的な損害賠償請求の一つであり、個人の請求者または集団を代表して行われることがあります。COVID-19による解雇と職場復帰をめぐる雇用判断は、この分野で企業が直面するリスクを高めています。
ビジネスにおいて見過ごされがちな賠償責任に、E&O保険(エラーズ・アンド・オミッション保険)があります。E&Oの定義によれば、専門的なサービスを提供する際、あるいは提供しなかった際の行為、過失や見落とし、虚偽の記載、誤解を招く記述、信認義務やその他の義務違反のことを指します。
以下のような場合、E&O保険を検討することをお勧めします。
特に技術分野において、有償でサービスを提供する場合。
インストール、インテグレーション、サポート、メンテナンス、または関連サービスを提供する場合。
コンピュータ・ソフトウェア、ハードウェア、電子通信技術、および/またはコンポーネントを製造、配布、または販売する場合。
コンテンツの開発、出版、放送、または配信(課金するか否かにかかわらず)をする場合。
マーシュ ブローカー ジャパン