大塚 達郎
マーシュ ブローカー ジャパン
2020 年のパンデミックにより、世界の取引環境は大きく変化しました。企業はこれまで以上に顧客の倒産や債務不履行といった潜在的なリスクを慎重に検討する必要があります。
こうした予測不能な経済サイクルの中で、グローバル市場での持続可能な成長を実現するため、安全性を確保しながら、一貫して成果を上げることがビジネスに求められています。そのような中、取引信用保険の後ろ盾があれば、企業は効果的にバランスシートを守ることができます。
マーシュのグローバル取引信用チームは、お客様の売掛債権リスクの管理に役立つさまざまな金融ソリューションを提供します。そして、売掛債権の不払いから生じる潜在的な損害に関する信用リスクおよび保険手配の大手アドバイザーとして、主要保険会社と強固な関係を構築しており、信用リスクに関する補償内容が費用対効果の高いものとなるよう交渉します。また、各国現地およびグローバルの専門サービスチームは、お客様の取引信用プログラム運営においてコンプライアンスを遵守し、一貫したサービスを提供します。
取引信用保険を活用することで、企業が顧客と与信取引を行う際の回収不能リスクの低減、着実な販路拡大(新しい地域への拡大など)、L/C依存度の軽減といった効果を期待できます。また、L/Cが投資不適格国から発行される場合、取引信用保険により信用状の発行銀行に対するカバーを提供できる場合があります。
取引信用保険は、金融機関の融資枠を拡大するための担保として利用されることがあります。これにより、企業の成長を支えるための更なる資金調達手段を、より費用対効果の高い条件で得られる可能性があります。
売掛債権はバランスシート上の資産の40%以上を占めることもあり、特に多くの上場企業が、収益性の高い成長を実現する戦略的ソリューションとして、またバランスシートにおける重要資産の保全を株主に対して保証するために、取引信用保険を利用しています。
取引信用保険は、倒産、不払い、政治リスクといった不測の事態から、貴社のビジネスを守り、取引先の債務不履行による損失を軽減します。
詳細については、下記よりお気軽にお問い合わせください。
マーシュには、世界55ヶ国、850名の取引信用保険のスペシャリストが在籍しています。各国の文化、言語、規制、商慣習および現地市場に精通したスペシャリストが、コスト効率の良い保険活用をご提案し、お客様の売掛債権リスクの管理をサポートいたします。また、当社の多国籍サービスチームは、現地の保険業法に準拠したクレームマネジメントおよびアドボカシーサービスを提供します。複数の業界誌で表彰されるなど、ご評価をいただいています。
取引信用保険が貴社のビジネスにどのように役立つか
取引信用保険は、規模、業種、その取引が国内、輸出、またはその両方であるかを問わず、あらゆるタイプの企業に適した有益な保険です。企業、金融機関、その他決済条件に基づき商品やサービスを提供するあらゆる事業体は、取引信用保険の加入を検討すべきであると言えます。取引信用保険の活用により、国内での債務不履行に加えて、海外の取引先による債務不履行からも会社を守ることができます。前金や即金以外のビジネスを行っている企業にとって、取引信用保険は、事業活動の拡大に伴い増えていく企業の資産を守るものです。
一般的に取引信用保険を採用する企業には、製造業や商社、サービス業などがあります。
現代では各国間の国際取引が世界経済を生み出し、動かしています。商品やサービスの商流や価格は、次のようなさまざまな要因から影響を受ける可能性があります。
世界的な出来事:長引く新型コロナウイルス感染症によるパンデミックで、多くの商品やサービスの生産や提供が遅れたり、縮小したり、さらに中断も生じています。
為替レート:通貨高の恩恵を受ける純輸入国、通貨安の恩恵を受ける純輸出国に対して、為替レートは大きな影響を及ぼします。
貿易障壁:例えば、国内産業を外国との競争から守るために政府が課した輸入制限や関税などがこれに該当します。
地政学的安定性と政情不安:国内および国境を越えた紛争や戦争が、取引のルートや輸送を混乱させる可能性があります。
輸送費:原油価格など、多くの要因から影響を受ける可能性があります。
取引信用保険は、被保険者である企業の取引先が、その正当な債務について支払いを行わない場合に備えるものです。通常の場合保険による補償は、あらかじめ決められた特定の事象に対して適用されます。
信用保険会社は、一般的に以下の 2 種類のリスクを補償します。
取引信用保険は、お客様の新規および既存の顧客に対してより柔軟な支払条件を供与することをサポートします。これにより、以前はリスクが高すぎるとみなしていたケースでも、ビジネスを安全に拡大できるようになるかもしれません。また、海外への輸出のリスクも保全することができ、回収における不確実性を減らすことができます。
通常、取引信用保険を付保している企業に対して銀行はより多くの融資を行う可能性が高く、取引信用保険を契約することで、売掛債権を担保とした追加資金の調達がしやすくなります。顧客が倒産手続きを開始したり、単に期日までに返済ができない(またはその意思がない)場合でも、お客様のバランスシートは、事前に定められた縮小率(多くの場合、債権の75~90%程度)の割合で保全され続けます。また、事業内の他の用途で使用するための資本の確保や、貸倒引当金の削減にも役立つ可能性があります。
通常、企業は顧客ポートフォリオ全体に対する付保を検討しますが、これは最も一般的なタイプの保険契約となります。一方で、いくつかの選択した顧客、または主要顧客のみを含めるようにカスタマイズすることができる場合もあります。
信用保険会社は、企業ごとのさまざまな補償ニーズに対応できるように、幅広く柔軟な商品および約款を提供しています。お客様に適した補償内容を実現するためには、グローバルレベルのリスクや課題、および取引における金融ソリューションに関して経験と専門知識を持つ保険仲介業者と連携することが重要です。マーシュの専門家は、お客様固有のニーズの評価と深堀を支援し、最適な補償内容を選択できるようサポートします。
保険の補償内容は、次のようなさまざまな方法で設計が可能です。
包括保険:最も一般的な契約形態であり、1つの保険契約で企業の売掛債権ポートフォリオ全体をカバーし、また国内取引と輸出取引を幅広く対象とすることができます。
キーアカウント:お客様の主要取引先のみ、または大規模なリスクが存在するような、その他一定の基準によって定義された補償範囲(選択的な補償)を保険の対象とします。
シングルリスク:一つの取引先のみを対象とします。
エクセスオブロス:一定の免責金額を設定することで、日常的に発生しているレベルの不良債権を上回る、主要取引先で発生した巨額損害、異例なレベルの損害をカバーします。
上記の保険契約はそれぞれ国内販売、輸出販売、またはその両方を補償することができ、地域ごと、または全世界を保険の対象とすることができます。輸出に関しては多くの場合、ポリティカルリスクの補償も含まれます。
これらのすべてのオプションにおいて、多くのケースで取引信用保険は手頃な価格で補償を提供できます。保険料は通常、保険対象とする売上の1%未満です。
取引信用保険は、変化する商品です。顧客に対して必要となる信用限度額は、ビジネスニーズの変化を反映して、そして保険期間を通じて変化していきます。マーシュは、保険会社との数多くの信用限度額の設定または増額交渉において、お客様をサポートして参ります。
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