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Global Insurance Market Update

アジア保険市場:2022 第1四半期

アジアでは、2021年2021年10-12月期の4%増に対し3%増となりました、2020年第3四半期以降、保険料上昇ペースは減速傾向にあります。
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アジア保険市場:穏やかな上昇が続く

グローバルベースでの企業向け保険料は2022年第1四半期に11%上昇し、世界的な保険料上昇が2020年第4四半期の22%をピークに、5期連続で低下しました。

アジアではこの第1四半期に3%の保険料上昇率となりました。

このインデックスは、マーシュ独自のグローバルベースでの企業向け保険料の保険更改時の変動指標であり、マーシュが取り扱う保険料の90%近くの保険料データが指標のベースとなっており、世界の主要保険市場の状況を映し出しています。

世界的に再び保険料の上昇が上見られましたが、ほぼすべての市場で非常に緩やかな上昇にとどまりました。
2022年1-3月期の地域別の保険料上昇率は、以下のとおりです(図1参照)

  • アジア:3%
  • 米国:12%
  • 英国:20%
  • 欧州大陸: 6%
  • ラテンアメリカ: 6%
  • パシフィック地域: 10%

 

 

図1| アジア保険市場における国別保険料の推移 

アジアのトレンド

財物保険料は2%上昇し、2021年10-12月期の3%から低下しましたが、14四半期連続の上昇となりました。

  • 特にリスクが低いとされる産業の損害歴が良好な顧客を中心に、保険会社間の競争が現地マーケット内で続いています。
  • 巨額災害ゾーンにリスクが所在する顧客、特にサイクロンや洪水といった二次的な危険にさらされている顧客にとって、依然として厳しい状況が続いています。
  • リスクが高いとされる産業の顧客や、損害が悪化した顧客は、依然として平均を上回る上昇率が続いています。

図2| アジア保険市場における国別保険料の推移-財物保険

賠償責任保険の保険料上昇率は、2021年10-12月期と同様に2%上昇しました。

  • 大規模損失は保険会社の行動を牽引し、保険損害の多い顧客は、厳しい保険更改を強いられました。
  • 保険会社は、4-6月期に保険損害額のインフレーションに対する懸念を示し始めました。
  • アジアの保険会社の引受キャパシティは依然として潤沢であるものの、多国籍に事業展開する保険会社は、エクセスレイヤーの引受キャパシティを制限しています。これらの課題は、製品リコールと製造物賠償責任のエクスポージャーによってより顕著になります。

図3| アジア保険市場における保険料の推移-賠償責任保険

金融・プロフェッショナル分野の保険料は13%上昇し、前年同期の17%上昇から低下しました。

  • 金融機関の保険料は緩やかな動きとなっていますが、保険会社は引き続きキャパシティや保有額の管理を行っています。また、D&O保険の上昇率も安定し始めました。
  • 米国上場企業と米国進出企業のキャパシティに課題が残っています。
  • サイバー保険市場は依然として厳しい状況にあり、ランサムウェアは保険料に大きな圧力をかけており、保険会社はそれぞれのポートフォリオを拡大させながらリスクを管理しようとしています。
  • 専門職業賠償責任保険(PI)会社は、中小規模の顧客向けにカスタマイズした保険商品を積極的に販売しています。しかしながら、大規模なPIプログラムでは、特に通信、メディア、テクノロジー業界を中心に、保険料の引き上げがみられました。
  • デジタル資産関連企業(分散型台帳技術を集中型信託ネットワーク・アプリケーションに導入している企業を含む)は、この第1四半期に厳しい状況に直面しました。ロンドンではコールドストレージ保険がある程度普及していましたが、保険会社はこの分野のサイバー保険、犯罪保険、PIにあまり意欲的ではありませんでした。

図4| アジア保険市場における国別保険料の推移-金融・プロフェッショナル分野の保険

棒グラフは、世界の保険会社の保険料の変化を表しています。