原 智昭
マーシュ ジャパン
通信・メディア・テクノロジー(CMT)企業におけるリスクマネジメント体制の構築は、事業の持つ性質上リスクが高く、また利害関係が複雑に交錯していることから、非常に困難な課題となっています。様々な企業がCMT企業のサービスに依存しているため、事故やシステム障害発生時に顧客事業へ連鎖的影響を及ぼす可能性も大きいと言えるでしょう。
ハイテク化が進み、新たなイノベーションが絶え間なく生まれているCMT業界は、ビジネス環境の変化も著しく、市場で勝ち残るにはビジネス機会を逃さない行動力だけでなく、それと同時に、変わり行くリスクを適切に把握、管理することにかかってきます。現在、情報セキュリティ侵害やサイバーのリスクは増大の一途をたどっています。新たなメディア媒体や、コンテンツ配信方法の登場とともに、メディア・コンテンツ業務に係る損害賠償請求が急増しています。
サプライチェーンの障害は、ハードウエアやソフトウエア、各種コンテンツの流通を阻害する恐れがあります。また、通信業界と放送業界の相互参入や提携など、市場が再編されつつあり、サプライチェーンが今後更に複雑化されることも予想されます。
マーシュ ジャパンでは、マーシュと連携のもと、リスク評価ツールやデータ、分析、テクノロジーを活用して、お客さまがリスクを認識し、管理するための支援を行います。また、当社は、こうしたツールと損害事故や保険金請求に関するデータベースを用いて、リスクの定量化、順位付けを行い、、保険市場にアクセスする際に適切なリスク情報を提供します。そしてそれぞれの企業のリスク特性に合致するように、テーラーメイド型の補償を提案します。マーシュのCMT業界に精通したスペシャリストの知見は、顧客のビジネス成長に貢献できるでしょう。
メリット:リスクとその管理に係る明確な理解と、リスクに係る事業コストの最適化、損害発生時の弾性・安定性の向上。
テクノロジー企業は、サイバーセキュリティや情報漏洩から、業界における競争やデジタルビジネスの中断、ITレジリエンス、さらには人工知能の利用が一般的になるのと同様に、システムが旧式になってしまう恐れなど、さまざまなリスクに直面しています。最初の 2つのリスク、サイバーセキュリティと競争はおそらく、現在のテクノロジー企業にとって最も差し迫ったものでしょう。市場シェア獲得に向けた競争により、急速なイノベーションが推し進められています。そのため、ハッキングなどの不正アクセスの可能性をすべて特定して対処する前に、新しいテクノロジーが市場に投入されてしまう、といったことが起こっています。残念ながら、こういった状況により悪意のある利用者が自らの利益のために善意の製品やサービスを悪用することが起こり得ます。情報漏洩は、企業と消費者に深刻な影響を及ぼす可能性があり、戦略的なリスクマネジメント・プランが必要となります。
財物&利益損害・賠償責任や労働者災害補償(該当する場合)に関する保険など、事業主として手配する通常の保険に加えて、ソフトウェア会社にご検討いただきたいその他の補償もがあります。
まず、サイバー賠償責任リスク保険です。データ漏洩が発生し、そのために法的な費用を支払うことになった場合、その後の信頼回復のための資金確保に役立ちます。次は、専門職業賠償責任(E&O)保険です。会社の製品の性能に関する請求が発生した場合に役立つ場合があります。
最後に、知的財産に大きく依存する業界に合わせてカスタマイズされた身元信用保険も検討の価値があります。身元信用保険は、従業員が専有情報を開示した場合に会社と顧客に補償を提供するものです。
ソフトウェア会社と同様に、ハードウェア会社も、最低限、他のほとんどのタイプの企業と同じ保険が必要です。これには、一般的な事業主向けの財物&利益損害・賠償責任や労働者災害補償(該当する場合)に関する保険が含まれます。また、日常業務の一環として製品の配送やサービスを行う場合には、自動車保険が必要になるでしょう。加えて、ハードウェア会社には、サプライチェーンの途絶により業務が中断した場合の利益補償や、製品の不具合に関連する訴訟に対して補償をする保険も役立つ場合があります。これらの補償プランの名称は、保険会社や地域よってさまざまに異なりますが、基本的にはどれも同じ役割を果たします。
専門職業賠償責任(E&O)保険は、専門賠償責任保険の一種であり、被保険者が業務上の行為や製品の提供に関連して過失を犯したとする請求や訴訟に対する損害から企業を補償することができます。E&Oの対象となる事象としては、業務遂行上の怠慢や過失、不実表示の申し立てなどが含まれます。
テクノロジー専門職業賠償責任/(テクノロジー E&O)保険は、企業が提供した技術製品または業務遂行上の過失によって当該企業の顧客が被る可能性のある経済的損失に対して、通常の E&O 保険契約内容を超えた補償を提供します。例えば、コーディングエラーが原因で会社のソフトウェアに障害が発生し、そのソフトウェアを使用する顧客が事業を遂行できなかった場合、テクノロジーE&O 保険によって顧客が被る損失が補償される可能性があります。
テクノロジー企業、特に IPO を検討している企業は、特許や商標、著作権、企業秘密に関連するリスクにさらされていることを考慮する必要があります。
知的財産保険は、それぞれの条件に応じて以下の補償を提供することができます。
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