池田 順子
マーシュ ジャパン
小売業界は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前からオンラインショッピングと迅速な配送への移行が進んでおり、すでに広い範囲で変化は始まっていましたが、パンデミックによりそのペースが加速しました。政府が対面での買い物を控えるよう呼びかけたことにより、消費者が安全で非接触型の配送と返送オプションを好むようになったためです。
オンラインショッピングは決して新たな現象ではありませんが、パンデミック下で需要が急増したことで、小売業者や小売業も営む卸売業者は予期せぬ問題に直面しています。小売業者や卸売業者は、サイバーセキュリティやサプライチェーンの崩壊など、ますます複雑化する一連のリスクに対応しそれを管理しようとしていますが、事業活動ではそれが限界に達しようとしています。
マーシュの経験豊富なリテール & ホールセールプラクティスのスペシャリストは、新たなリスクマネジメントニーズを予測し、不確実性の時代に安定性と収益性を確保するための戦略を実行するサポートをします。
小売業者は、先ずは顧客からの損害賠償請求に対する補償のために、総合賠償責任保険を手配する必要があります。その他には、小売業者は店舗、商業ビル、これらの場所にある動産を補償する事業主向けの保険契約を検討する必要があります。事業主以外に従業員を抱える小売業者は通常何らかの形態の業務災害補償保険に加入する必要がありますが、これは国によって異なる場合があります。
最後に、商品の輸送、配送を行う場合、事故の損害を補償するための自動車保険への加入は重要です。
大規模な事業を行う場合、大きな利益を得る機会だけでなく、大きな損失を被る可能性もあります。卸売業者は、日常業務の一環として特有のリスクに直面しています。何よりもまず、盗難や災害で商品の損害を被ることがあります。次に、製品の供給が滞ることにより事業が中断してしまう可能性があります。また、卸売業者は、製造または流通過程の一部であるため、製造物責任の賠償請求に関与する場合もあります。最後に、商品の未着から規制遵守に関する罰則まで、さまざまな理由で卸売業者に対して法的措置が講じられる場合があります。
まず、卸売業者が総合賠償責任保険を検討することは、小売業者と同様に重要です。これによって企業は、お客様や一般の人々へのケガやその他の損害に対する賠償責任に対応することができます。地域によっては業務災害補償が必要な場合があり、また、車両での輸送業務を行う場合には自動車保険も検討する必要があります。卸売業者が国外へ輸送する責任を負う場合、通常は輸送中の商品の損失および責任の補償範囲を拡大することが重要です。これには、商品自体による輸送船またはその他の輸送形態に対する損害へのカバーが含まれるものとします。
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