出田 岳志
マーシュ ジャパン
消費者の健康、社会、そして環境に対する意識が高まりを見せている中で、世界中の食品・飲料会社は、こうしたニーズを満たすためにビジネスモデルを進化させています。
企業は次々に新技術を導入し、サプライチェーンを拡大して市場シェアを維持する一方、異常気象、規制の拡大、およびサイバー攻撃などの課題に直面しています。新型コロナウイルスの感染症の拡大によりサプライチェーンが機能しなくなったり、大幅に縮小されたことにより、これらのリスクの多くが増幅し、深刻なものとなりました。
こうしたトレンドの変化には大きなリスクが伴いますが、新たな機会も生まれます。多くの食品・飲料会社にとって、コスト効率の高いリスクファイナンスのオプションを選択し、業界標準を超えるリスクマネジメント手法を実施することが重要です。パンデミックの最悪の状況から抜け出し、新たなビジネス機会へ投資しようとしている中で資本が逼迫している場合にはさらに重要となります。
マーシュは、製造業者や加工業者から、販売業者、卸売業者、そしてレストランにいたるまで、食品・飲料会社が直面するリスクを予測し、その影響を把握し、軽減するための包括的なプランの実行をサポートします。
食品・飲料会社が直面する主要なリスクは、以下の通りです。
食品・飲料会社が必要とする保険は、地域や製品の種類、その他の要因によって異なる場合があります。
多くの先進国では、どのような形態の企業であっても、従業員の事故による負傷や死亡に備え、業務災害補償保険またはそれに相当する保険の加入が義務づけられています。食品・飲料業界、特に大型機器を扱う生産ラインに従事する従業員には特有のリスクがあるため、雇用主は法的に義務付けられている場合は、この種の保険を手配することが不可欠です。
他の種類の保険では、一般賠償責任保険が必要です。これは財物保険、業務用車両での賠償責任保険、および酒類に起因する賠償責任保険がセットになった一般的な保険契約に含まれていることがあります。国際間の輸送や物流、これが例えば食料品や消費者向けパッケージ製品の大量生産の場合には、より専門的な保険が手配されることもあります。
サイバー保険は、食品・飲料会社がビジネスモデルや日常業務での新技術の活用が増えている中で、検討すべき重要な補償です。サイバー攻撃は、事業の中断からその他の金銭的損失に至るまで、組織に大きな影響を与える可能性があります。
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