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レポート

M&A保険に関するマーケット状況

本レポートはアジアをはじめ、世界の最新のM&A保険(表明保証保険・租税債務保険など)のトレンド・展望を解説しています。ダウンロードはこちらから

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マーシュは世界の1,200件近いM&A取引を対象に、補償限度額が累計490億米ドルに及ぶ2,000件超のM&Aリスク保険を手配しました。付保対象となった企業価値の累計額は3,370億米ドルに及びます。

アジアにとって記録的な1年

マーシュのPEMA(プライベートエクイティおよびM&A)チーム は、クロージングに至った147件のM&A取引に対して、過去最多となる244件のM&Aリスク保険(プライマリーおよびエクセス )を手配しました。
2022年に比べて、保険手配件数は19%増、クロージングに至った取引件数は32%増となっています。
顧客への補償限度額は累計60億米ドルに上り、付保したM&A取引に関わる企業価値は累計359億米ドルに及びます。

アジア地域において、1億米ドル未満のM&A案件が占める割合は2022年の33%から、2023年には46%へ増加しました。
2023年には、企業およびストラテジック・バイヤーが前年よりもM&A保険を活用するようになり、プライベートエクイティの買主でも42%から46%へ増加しています。
2023年にアジア地域で表明保証保険を手配した代表的な業種は、製造業、エネルギー、不動産、通信、メディア、テクノロジーです。

 

アジアにおける保険金請求の通知件数は2022年のピークから平時の水準へ

アジア地域では、2023年に13件のそれぞれ異なるM&A案件全体で18件の事故報告が行われ、2022年の件数を15%上回りました。
しかし、アジアにおける高額な保険金請求の頻度は、依然低いのが実情です。
タイミングの点では、契約の初年度、2年目、3年目に行われた報告が1/3を占めています。

ほぼ全地域において、税金関連の表明保証違反が引き続き最も多く、表明保証保険における全保険金請求通知の32%を占めています。
2023年の通知のうち、重要な契約に関するな表明保証違反は23%程度とみられています。
一方、財務諸表に起因する保険金請求の報告はありませんでした。

英語版レポート全文をダウンロードして、アジア地域やアジア内の各市場のトレンドをつかみましょう。


主要ポイント:

  • 表明保証保険市場:表明保証保険を取り扱う保険会社が2022~2023年に新たにアジア市場へ参入した影響で、以前よりも保険料の競争が激しくなり、保険契約の補償条件が改善し、引き受け審査プロセスの合理化が進んでいます。
    保険市況のソフト化に伴い、アジア地域全体において、北米や英国、欧州などの成熟市場で提供されている保険ソリューションやサービス水準の導入が進んでいます。
  • 保険料率への影響:アジアの平均保険料率は2022年の2.3%から2023年の1.7%へ25%低下しました。
  • 保険契約のパラメーターへの影響:競争の激化を背景に、保険会社が標準的な自己保有額・tipping retention(つまり、請求額が設定された免責金額を超えた時点において、当該免責金額の全部又は一部を含めて保険金が支払われる仕組みの保険)とも、EVの0.5%~1.0%程度まで引き下げる傾向にある。
  • 保険契約の条件への影響:表明保証保険の担保範囲は、ディール関係者に期待に沿うような方向に、拡大される方向にあります。例えば、保険の専門が保険DDを行い、ターゲット会社にPL保険が適切に付保されていることを確認できれば、製造物責任や製品の欠陥を表明保証保険の免責事由から除外することも、可能となるケースもあります。
  • プロセスへの影響:被保険者は、保険会社による引き受け審査プロセスの合理化により、負担軽減の恩恵を受けています。
  • 日本:日本国内で引き受けるM&A契約の需要増を受けて、年間の案件数は前年比で62%増加しました。平均保険料率は2.4%から2%弱へ約20%低下しました。
  • 東南アジア:東南アジア全体の案件数は年間を通して増加し、最終件数は前年比で16%増、平均保険料率は1.9%から1.4%へ30%低下しました。

 

2024年の展望レポート(英語版)の全文は以下フォームよりダウンロードいただけます。