グローバル/アジア・トランザクショナル・リスク・クレーム・レポート2023

本レポートは、2022年に事故報告が行われた、表明保証保険（R&W保険/W&I保険とも呼ばれる）の保険金請求に関する分析結果をまとめたものです。

（*）以下、表明保証違反等を「事故」、表明保証保険に基づいて保険金請求の通知を行うことを「事故報告」といいます。

2022年、アジアでは新たな保険会社の参入が相次ぎ、アジアにおけるM&A・不動産取引に関連するリスクへの保険会社の引き受け意欲が高まっています。私たちはアジアでの市場の拡大を歓迎すると同時に、保険会社の差別化要因として、シームレスかつ迅速な事故処理能力を重要視しています。

2022年、アジアで手配された保険契約については、引き続き堅調な契約件数と事故報告件数に相関関係が見られました。また、現地損保会社による国内案件に対する保険金支払いを含め、アジア全域において記録的な保険金支払い事案が発生しました。

事故報告件数: 2022年に同地域で提出された事故報告件数は24件で、2021年とほぼ同数。ただし、世界の事故報告件数が7%増であったのに対し、当該地域の事故報告件数は2019年から30%増加しており、当該地域の市場の成長を反映
事故対応: 2022年に成約した案件の9%が、その年に事故報告を受領。全体として、事故発生率は過去2年間で減少しており、これは全世界で報告されているトレンドと一致
事故の種類:
- 過去においては、事故は主に税務と財務諸表に関連する表明保証に起因するものだったが、訴訟に関する違反が2022年の主なカテゴリーとなり、事故報告の全体の64%を占めた
- 2022 年の当該域の全事故報告のうち 23%が税務関連の表明保証違反であり、同年の全世界における事故報告件数の全世界における25%が税務関連の違反であったという統計と一致
事故報告のタイミング: 当該地域の大半の顧客は、保険契約が開始してから2年目以降に事故報告を提出。これは、保険始期後1年～1年半以内に大半の事故報告があったという過去の調査結果とは異なる

【事例紹介動画】アジアにおける事故事例：日本国内のIN-IN案件の保険契約におけるコンプライアンス違反

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