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Global Insurance Market Index

アジア保険市場:2023年 第4四半期

2023年10-12月期(第4四半期)のアジアでの企業向け保険料率は、賠償責任保険と金融・プロフェッショナル分野の保険料率が低下し、サイバー保険の保険料率の増加率は±0であった。

グローバルベースでの企業向け保険料率は、2%の上昇となりました。なお、直近の第2四半期(2023年4-6月)、第3四半期(7-9月期)の上昇率は、それぞれ3%でした。

アジアおける国別の総合的な保険料率の上昇は、台湾が24%、日本が7%、フィリピンが7%と最も上昇し、ベトナムが-9%、香港が-6%、韓国が-4%と低下しました。

このインデックスは、マーシュ独自のグローバルベースでの企業向け保険料の保険更改時の変動指標であり、マーシュが取り扱う保険料の90%近くの保険料データが指標のベースとなっており、世界の主要保険市場の状況を映し出しています。

*注:2023年第3四半期以降、インド市場については、アジアには含まれなくなり、グローバル保険市場において、インド・中東・アフリカ(IMEA)地域として集計されています。

アジアにおける財物保険の10-12月期の保険料率は、保険会社がキャパシティを徐々に拡大したため、2%の上昇となりました。

  • 財物保険の保険料率の上昇が最も大きかったのは台湾で28%となり、日本8%、フィリピン8%、タイ8%となりました。ベトナムは、低下率が最も大きく-10%となりました。
  • 保険会社は引き続き、特に日本、台湾とフィリピンにおける、巨額自然災害のエクスポージャーを注視しています。

アジアにおける賠償責任保険の保険料率は、2%の減少となりましたが、保険会社にとってはリスクの選択が引き続き重要でした。

  • 賠償責任保険の保険料率の上昇が最も大きかったのは日本の6%で、低下率が大きかったのは、香港の-10%、韓国の-7%、シンガポールの-6%でした。
  • 自動車賠償責任保険および労働災害保険の保険料率は安定していたものの、香港とシンガポールで保険金請求が増加しました。

金融・プロフェッショナル分野のアジアにおける保険料率は-6%となり、金融機関(FI)分野の料率は総じて安定的に推移しています。

  • 金融・プロフェッショナル分野の保険料率が増加したのは、台湾の6%、フィリピンの3%、タイの2%でした。
  • 一方で、大きく低下したのは、マレーシアの-8%、中国の-7%、香港の-7%でした。
  • 保険会社は総じて引受キャパシティを制限する一方で、エクセス・レイヤーの引受を増やし、米国の上場企業など以前は付保が困難であったリスクに関心を示しました。

サイバー保険については、保険会社間の競争が引き続き加速していることから、のアジアにおける保険料率の、上昇率は0%となりました。

  • サイバー保険の保険料率が増加したのは、台湾、ベトナム、インドネシアであり、それぞれが13%でした。
  • 低下率が大きかったのは、シンガポールと香港の-3%で、中国とマレーシアは±0%となりました。
  • 保険会社は、デジタル・サプライチェーンへの依存度や戦争に伴う免責に関して、精査を強めています。

アジア保険市場における保険料率の推移