金融・プロフェッショナル分野の保険料は、2022年1-3月期と同様に13%上昇しました。シンガポールでは24%の保険料上昇となり、2022年1-3月期の16%に比べ大きな上昇となりました。
- D&O保険の上昇率は10%から15%であり、保有額は安定しています。
- 米国の上場企業と米国進出企業、および特定の国々や産業に対してのキャパシティの課題が残っています。
- プライマリレイヤーの料率は引き続き厳しく、見積りに応じる市場はごくわずかでした。
- 金融機関(FI)向け保険では、保険料上昇が緩やかになり始めましたが、保険会社は引き続き、キャパシティと保有額を慎重に管理しています。
- 専門職業賠償責任保険(PI)は、アジアではまだ小さな市場であるものの、中小企業(SME)分野に対しての保険会社の引受意欲が高まり始めています。
- より大規模で複雑なPIプログラムでは、平均10%~15%の範囲で保険料率が上昇しました。
- 通信・メディア・テクノロジー分野は、サイバー市場との融合が進み、キャパシティが選別される状況が継続します。
- 医療過誤部門への引受意欲は引き続き選別的でした。
- サイバー保険市場は、引き続き、保険料上昇圧力を伴う厳しい市場環境、クレーム、システミック・リスクへの懸念、地政学的緊張、ランサムウェアの影響を受けました。保険会社は、それぞれのポートフォリオを成長させながら、サイバーリスクの管理を継続しました。効率的なコントロールにより損害が発生していない案件を含め、平均で25%から50%、あるいはそれ以上の範囲で、引き続き保険料率が上昇しました。
- 保険会社はデジタル資産関連会社に警戒感を示しました。
- 保険会社は、暗号通貨サービスを直接または間接的に提供していなくても、分散型台帳技術を中央集権型ネットワークに導入している企業との関わりを警戒しました。
- コールドストレージ補償はロンドン市場でより大きな取引がなされる傾向があり、保険会社はこれらのリスクのいくつかについてD&O保険を検討しましたが、サイバー、犯罪、および専門職業賠償責任保険(PI)への引受に対してはあまり意欲的ではありませんでした。