東京 | 2023年9月11日
グローバル保険市場における企業向け保険料率は引き続き緩やかに上昇、4-6月期の保険料率は3%上昇
サイバー保険の保険料率は引き続き緩やか
保険仲介とリスクマネジメントの世界的なリーディングカンパニーMarsh (以下マーシュ) が発表したマーシュ・グローバル・インシュランス・インデックス日本語版によると、2023 年4-6月期のグローバル保険市場における企業向け保険料率は 3%の上昇(1-3月期の4%からは低下)となり、23四半期連続で保険料率の上昇となりました。
2023 年4-6月期の保険料率は全地域で安定しており、主な要因は金融・プロフェッショナル分野の保険料率の低下、およびサイバー保険市場の継続的な低下が、今期最大となった財物保険料率の上昇によって相殺されたことによるものです。英国における保険料率の上昇は 1%(2023 年1-3月期の3%から低下)、パシフィック地域では2%(1-3月期の7%から低下)、アジアでは0%(1-3月期の1%から低下)、欧州大陸では 5%(1-3月期は5%で同)、米国では4%の上昇(1-3月期は4%で同)となりました。
その他のトレンド
- 2023 年4-6月期のグローバルにおける財物保険の保険料率は、1-3月期と同率の10%の上昇となり、賠償責任保険料率も1-3月期と同率の3%の上昇となりました。
- 金融・プロフェッショナル分野の保険料率は、4 四半期連続で全体的に低下しました。特に英国における料率のさらなる引き下げと引キャパシティの拡大に牽引され、平均保険料率は1-3月期の5%低下に対し、4-6月期は8%低下となりました。
- 世界的に見ると、サイバー保険の保険料率の上昇は引き続き緩やかで、2022年9-12月期の28%、2023 年1-3月期に対し、今期は1%の上昇となりました。米国における1-3月期の11%から、今期の4%への低下に牽引されました。
- 更改時には、多くの地域でインフレによる資産評価や保険金支払費用への懸念が注視されました。
本報告書について、マーシュのマーシュ・スペシャリティ部門およびマーシュ・グローバル・プレースメント部門の統括責任者あるパット・ドネリーは、次のよう述べています。「サイバー保険と役員賠償責任保険の市況が引き続き緩やかな動きであることは、顧客にとって非常に好ましいことですが、特に巨額自然災害による財物保険市場の継続的な上昇は懸念事項であり、マーシュにとっても重要な課題といえます。2023年後半に向けて、経済、インフレ、地政学的な不確実性が続く中、今後の課題を乗り切り、保険市場から最適な結果を得るために、幅広い選択肢を顧客とともに模索し続けています。」